こちらは日本トランスパーソナル心理学/精神医学会公式ホームページです

JATP分科会の紹介


分科会設立の趣旨


分科会活動は、トランスパーソナル運動の多様な側面を担っておられる本学会会員の活動を紹介し、学会内外での交流や連携をサポートしていくことを目的とします。2013年11月3日、第十四回学術大会で新たに発足されました。

分科会設立の意図については、村川治彦学会長が明確に説明されておりますのでこちらをご覧下さい。


巻口勇一郎先生 「スピリチュアル・エマージェンシー・クンダリーニ体験」

霊的という概念も何か既に定まった固定的なものではなく、なおおぼろげなものであり、それゆえ霊的な危機というテーマも非常に幅が広い。それは自我の肥大化や臨死体験など様々な内容を含むと考えられる。こうした代表的テーマとともに、インドの思想であるチャクラや、ナディ、クンダリニー等についても参加者が研究成果を持ち寄ってテーマ設定をして、考察を深めていければ幸いである。クンダリニーとは「何とも把握しがたいもの」であると個人的には思うことがあるが、これについて確かに把握するにはどうすればよいのか、あるいは各自に任せるべき課題なのか。また、テーマを霊的危機と限定した場合、何が霊的なのかを把握するために、肉体的危機、精神的な危機についても知っておく必要があるだろうし、それらの無関係性あるいは相互関係というものもあれば検討していく必要があろう。こうした問題関心は、霊的感覚と心理学的発達が関連していないように思える事例の理解にもつながっていくのではないだろうか。また危機という問題関心は、放射能や環境破壊問題の発生を通じた現代社会・現代文明・人類の差し迫った課題でもあり、物質的な地球環境の悪化は、おそらく肉体の危機をもたらし、その後は果たして何をもたらすのか?


松本孚先生 「紛争解決とスピリチュアリティ」

日本語にすると「紛争」、「対立」、「争いごと」、「諍い」、「不和」、「葛藤」、などと訳される「コンフリクト(Conflict)」につい て、その解決や転換を非暴力的に且つスピリチュアル(トランスパーソナル)に実践する方法を追究していきたいと思っています。コンフリクトの対象は、対人間コンフリクトから国家間コンフリクトまでより広い範囲で検討していきたいと思っています。


塚崎直樹先生 「禅と心理療法を巡る懇談会」

宗教的な修行を行った人が、心理療法を専門家として実施する場合、どのような態度や心がけで実践しているのか、その実際を交流させたいという目的で、2008年9月から、年に二回京都で開催しています。当初は臨済禅の方が中心でした。資格としては、参禅など修行経験のある方で、臨床心理士または精神科医として臨床に携わっている方。その後、真言宗、浄土真宗、などの方も参加されるようになりました。僧籍をもっておられるかたが多いです。毎回7~8名の参加です。レポーターの実践報告の後自由討論をおこなっています。活発に議論すると言うより、それぞれの経験に耳を傾けて、和やかに話し合うという雰囲気です。今回は、参加者の広がりを求めてみようという考えです。
塚崎直樹 「禅と心理療法を巡る懇談会」
2014年3月27日につかさき医院で集まりを持ちました。
今回は、トランスパーソナル精神医学・心理学会での案内を行ったため、通常より参加者が増えて、11名でした。臨床心理士で、チベット密教の瞑想を実践している森本美知子さんから
事例の報告がありました。報告の後、報告を巡り、討論しました。
臨床現場では、事例に関わって、瞑想や神秘体験に触れて議論するという機会はありませんが、参加者はそれぞれの実践をふまえて、自由に討論することができました。
次回は、9月4日、午後6時半より、つかさき医院で行います。
大阪天正寺の住職・佐々木奘堂さんから、座禅会が参加者にどのような内的変化を生んでいるかというお話しをしてもらいます。
佐々木さんは、前回の学会総会で、坐禅の指導をしていただいた方です。
臨床心理士から禅僧にと活動の場を変えた経歴の持ち主です。
興味深いお話しが聞けると思います。
この懇談会は、臨床事例を扱いますので、守秘義務を負っている方を参加資格としています。
参加希望者は事前に御連絡下さい。
〒603-8179 京都市北区紫竹上梅の木町17-5つかさき医院 塚崎 直樹
TEL (075)495-2346  FAX (075)495-2356
E-mail bankyu@mbox.kyoto-inet.or.jp http://web.kyoto-inet.or.jp/people/bankyu/
   


石川勇一先生 「霊性に導かれる援助法の探求」

カール・ロジャースは「クライエント・センタード・セラピー」を提唱し、専門家主導の対人援助のあり方に大きな一石を投じました。それから60年余り経った現在、クライエント主導の理念に加えて、クライエントの「どの領域を中心とするか」を明確にする必要があるような気がしています。私は、クライエントの自我や無意識ではなく、より高次の意識である魂や霊を中心にすることこそ、援助にとってもっとも重要なことであると、約18年間の心理臨床経験と、瞑想などの諸々の修行経験から痛感しています。
このような霊性を中核に据えたセラピーを、私は「スピリット・センタード・セラピー」(あるいはスピリット中心療法)と名づけ、その根本原則と臨床実践における留意点や実際についてまとめ、『スピリット・センタード・セラピー』(第一巻第二巻、アマゾンキンドルストアで発刊)という著作にまとめてみました。
我が国の心理学関連の学界では、まだまだ霊性に対する議論が鎖国状態であったり、きわめて初歩的なレベルにとどまっていることがおおいのが現状ですが、このように霊性に導かれる心理療法や対人援助法について正面から議論し、研究し、研鑽できる場として分科会が機能すればと考えております。


永沢哲先生 「死にゆくプロセスとともに生きること

―仏教を土台にしたスピリチュアル・ケアの創造に向けて―」
この分科会は、仏教を土台にしたスピリチュアル・ケアを日本で創り出すことを目的としています。世界に類例を見ない高齢化の道をたどりつつある日本は、死についてどのように考えたらいいのか、死にゆく人とどのようにつきあっていったらいいのか、 文化の空白状態にあると言えます。 そういう現状を踏まえ、この分科会では、スピリチュアル・ケアの現場とのたえざる対話の中で、ジョアン・ハリファックス師が仏教の瞑想をもとに生み出した「死にゆくプロセスとともに生きる」プログラム、野口整体における看取りの身体技法、ミンデルのコーマワーク、東南アジア、中国、チベットの仏教や伝統医学の知恵や技法から学びつつ、日本の風土にふさわしい「仏教を土台にした新しいスピリチュアル・ケアのあり方を作り出す」ことを目指します。


小田まゆみ先生 「Feminine arises:女性性とスピリチュアリティ」

女性の本能は危機を感じると、立ち上がります。70年代ベトナム戦争の終末に、行き詰まった物質文明からの脱皮を求めて、アメリカ、ヨーロッパでは人々が東洋の宗教の道を生活の中に取り入れました。たくさんの女性がウーマンズリブ (women's liberation)から、より人間性の解放を求めてウーマンズ・スピリチュアリティという新しい動きを作り出しました。私はアメリカで30年間禅の修行を通して、彼女達から新しい生き方を学びました。そこで日本の仏教を新鮮な目で見ることができたことをうれしく思っています。 東北大震災と津波の危機、そして医、食、エネルギーの問題を抱える日本。支配と搾取を原理とする恐怖の文化から、大地と共に生きる和の文化への変容を求められている私たち。一緒に修行をした ジョアン・ハリファックス老師と著作家ナタリー・ゴールドバーグさんと共に、私たち日本人の女性性の回復について話をしたいと思っています。